言の葉の天日干し

感想置き場

火山の娘 育児日記

かれこれ45時間ほど父親になり、主要なエンディングをあらかた見た気がするので感想を書きます。

お父さんはいつだって全力さ

            
うちの娘は世界一可愛い。


育成シミュレーションならではの中毒性があり、システムもわかり易いので、初見でもつまずくことなくエンディングを見れるゲームだと思います。
プリンセスメーカー2で毎月のように魔王と酒盛りしステータスを底上げしてから祈りの力で因業を下げるという清廉潔白な育児経験が味方したようで、闇が深いエンディングを迎えることはありませんでした。時にはインチキディーラーのバイトを始めたり、裏道に通い詰めることもあったけど、馬は毎日光の果実を拾ってきてくれるし、お父さんは娘が可哀想になる選択肢を絶対に選べなかったし、娘に動く金庫と呼ばれるくらいお小遣いをあげていたし。

 

テキストは興味深い内容のものが多く、周回を重ねてもじっくりと言葉の意味を考える楽しさがあります。
より正確に理解したい部分があるときは、言語を英語に設定して確認していたりするので、いっそ次の周回では最初から英語で遊び通しても良いかなあと思っています。
例えば、「私」「僕」「俺」等の一人称の表記ゆれは英語なら"I"に一元化されるので、気にならなくなるんですよね。口調なども……。
これは小説などの文字を扱う媒体全般に言えることですが、日本語訳が怪しい作品は英語で読むのもまた一興だなあと思いました。

 

 

 

横道に逸れますが、気に入った作品ならばこそ、作者の書いた言葉をありのままに感じ取りたいと思うのです。たとえ時代にそぐわない表現で、規制されるべき文言であったとしても、元々の姿は変えるべきではないというのが私の意見です。改変してしまうのなら、改変前のオリジナルも同様に発行され、必ず残すべきだと思います。禁書扱いされて改変前の作品を読めず、体よく形を変えられたものしか残らないのでは、文化を保存しているのではなく喪失しているといえるのではないでしょうか。
その時代、その瞬間に書かれたからこそ意義がある。風化した言葉に宿る当時の精神を変わらぬ形で享受したい。
本当に好きなものなら、良い面も悪い面も真髄まで堪能したいとは思いませんか?